例の条例について。

これは完全にひとりごとです。ピンときた方のみ。相当長いです。
東京のことではあるけれども、けして他人事ではないとずっと注目しています。新聞の竹宮先生とアグネスさんの記事も本当にいい素材だった。双方の言い分が納得できて賛否を決めかねる。
自分のことを振り返ると、該当するマンガに出会ったのはたぶん小学校低学年の「花とゆ/め」。パタリ○とか完全にアウトだ。「美/少/年キラー」て。バ×マの馴れ初めは強姦だし。ツーリング○クスプレスはオトナ同士だったから大丈夫か・・・。でも設定年齢じゃだめで見た目重視らしいのでアウトかもしれない。
ともかく、一連の竹宮先生の作品、特に「風木」は、思春期に読んで本当に良かったと思っている。
今読んでも読後にあれほど号泣はしない。子供で無力だから守りきれなかった愛の切なさ悔しさを、同じ未成年だから鋭敏に感じられたんだろうな。大人だったら世間体とか経済力が先行してあんな無茶な恋愛最初から回避しちゃうし、「だからそもそもムリなんだって」って上から目線で読んじゃう。
外国で、男子校で、美少年で、という設定が、非現実的で良かったんだと思う。竹宮先生の重視される女性の「予習」としては、ここが鍵なんじゃないか。身近にはない条件での知識は、最初から現実的な恋愛とは完全に分けられている。混同しようがない。これが日本の女子高で実写だったりしたら、単なるポルノに成り下がるし女の子は読めない。
同じように、歴史物もしかり。日出ず/る処の天/子だって、設定が過去で王朝。未成年で読まなきゃあの皇子の気持ちに寄り添うことなんてできない。日本史の先生に薦められてみんな読んだなあ。
源氏/物語だって数々強姦のくだりがないと始まらないけど、さすがに規制対象にならないだろうな。少女をさらって育てて強姦、って極端な発想には繋がらないと思うのは、自分が常識的だからか。
そういえば、男子でヤングジャ○プとか読んでるおませな子は女子に変態扱いされてたなあ。今思えば性の知識レベル的には花ゆめ以下だったけど、設定が現実的だったせいで、生々しかったからだと思う。同じ描写でもテーマがエロそのものだったし決定的に違う。不思議なことに、当時はそれで男女どちらも何も疑問に思わなかった。


ただ、今現在、一般紙に載らないような、私が知らない領域のマンガやアニメには、日常と錯覚するような設定の、しかも行き過ぎたどぎつい表現の作品があまたあるんだろうと想像する。もう大人になってマンガもアニメも縁遠いので現状認識ができていないけど、昔はある程度あった節度が失われて想像を超えてる気がする。以前と違ってコンビニで売ってたりもするし、入手が容易すぎる。
知識のない子供がそれで誤った知識を得てしまったら、本当に不幸だし大変だ。代わりに正しい知識を得る教育が日本にはないから。人の良識を信じて放置してダメだったから規制の声が大きくなったんだろうし。


自分としては、完全なる規制にも完全なる自由にも反対、ということになるかな・・・しかしその線引きに双方納得の回答なんてありえない。譲歩しあって、ぜひぜひ軟着陸を望みたい。この分野の作品は、特に女性として、とてもとても大切に思うから。


しかしまたアグネスさんなんだなあ、お懐かしい。彼女は物の見方に筋の通った強い人なんだな。そしてとても賢い方だ。好き嫌いは別として尊敬しております。いっそこれがまた入試問題になればいいのにと思います。